【書評】 「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」 スコット・ギャロウェイ (東洋経済新報社) Part5
前回までに、第一の騎士A:Amazon、第二の騎士A:Apple、第三の騎士F:Facebookをご紹介しました。
今回も引き続き、スコット・ギャロウェイ「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」(東洋経済新報社)を紹介したいと思います。
今回は第四の騎士G:Googleについてご紹介したいと思います。
Googleに関しては、現在のCEOラリー・ペイジ(正確には持ち株会社のアルファベット)はで時価総額8370億ドル、従業員数は8万5000人という他の騎士と同様に超巨大IT企業です。
それではGoogleに関して詳しく見ていきましょう。
【概要】
・「世界の情報を整理する」というGoogleのビジョン
・メディアを支配する二大騎士の一つ、Google
・神のような信頼を得るGoogleの検索
○Googleのビジョン
Googleが提供しているサービスの根本には、Googleの壮大なビジョンがあります。
それが、「世界の情報を整理する」というビジョンです。
Googleの検索エンジンは世界一であり、6回に1回はこれまでになかった検索がされます。そして一日に35億回もGoogle上で検索が行われています。
これだけの回数の検索履歴を得続けることで、一つずつ世界の情報を整理しているのです。
最終的には、Googleを利用したことのある方であればすぐに理解できる上品でシンプルなホームページが、世界のすべての情報にアクセスする第一歩になるのです。
○メディアを支配する二大騎士
前回のFacebookの際に少しご紹介しましたが、今や世界のメディアはGoogleとFacebookの二社に支配されているといっても過言ではありません。
Facebookは巨大な規模と個々人をターゲティングできる能力を持つ騎士でしたが、それに対してGoogleは検索を行った人のタイプを分類することでターゲティングを行う騎士なのです。ましてや検索回数はとてつもない回数です。
検索は中立性を保つものの、その先の広告を有料コンテンツとすることでメディアを支配する騎士となったのです。
○神のような信頼
Google検索に対して、私たちは神のような信頼を抱いています。
当然ながらそれを利用したいと思う企業も多くいるのです。
ニューヨークタイムズなどの企業は、Googleを利用することで一時的に恩恵を受けてきましたが、最終的にはGoogleにコンテンツを吸収されるような形となりました。
神のようなGoogleは親しい間は利益をもたらす存在ですが、一度逆鱗に触れた場合墓場に追いやられるのです。そう、検索ページの最初にいたのが、二ページ目に送られるように…
検索に対する信頼は神のような存在ですが、逆鱗に触れた時の衝撃も大きいのです。
今回は第四の騎士G:Googleに関してご紹介しました。
普段Googleを利用することが多いので、自分も神のような信頼を置いていると感じます。
個人としては、世界の図書館のように知的欲求を満たせる場所としてGoogleが存在してくれればいいなと思うことがあります。
しかし、当然Googleも企業であるということを頭に入れておく必要があるとも改めて感じました。
次回は、GAFAが作り上げたルールに関してご紹介したいと思います!
【書評】 「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」 スコット・ギャロウェイ (東洋経済新報社) Part4
前回、前々回で第一の騎士A:Amazon、第二の騎士A:Appleをご紹介しました。
引き続き、スコット・ギャロウェイ「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」(東洋経済新報社)を紹介したいと思います。
今回は第三の騎士F:Facebookについてご紹介したいと思います。
Facebookに関しては、現在のCEOはマークザッカーバーグで時価総額5060億ドル、従業員数は2万3000人という超巨大IT企業です。
それではFacecookに関して詳しく見ていきましょう。
【概要】
・20億人をつなげたSNS
・巨大な規模を持ち個人に対するマーケティングを行えるメディア
・心に訴えかけるフェイスブック
○最大多数の人間をつなげた企業
人類史上、規模の観点で最も成功したのがFacebookなのです。
実際にどれくらいの人をFacebookがつなげたのかというと、20億人なのです!(参考になるかはわかりませんが、カトリック教徒が13億人)
これだけの人たちをつなげた上で、その使用率の高さも驚きです。
使用者の平均使用時間/dayは、インスタグラム+ワッツアップ+フェイスブックで1時間にも上ります。これは一日の平均ネット使用時間の5分の1程度にもなります。
そして、これだけの浸透率になるのにかかった期間が、なんと20年たたないのです。
日本は世界で唯一TwitterがSNSナンバー1の国なので実感がわきにくいかもしれませんが、Facebookの規模はここまで拡大しているのです。
○規模とターゲティング能力を兼ね備えるプラットフォーム
Facebookはこれまでのマーケティングを大きく変えました。
巨大な規模と個人を特定するターゲティング能力を兼ね備えるメディアとなったのです。
テレビのCMを想像してもらえるとわかりやすいと思いますが、巨大な規模を持つ場合個人をターゲットに宣伝を行うことができません。
しかし、Facebookでは活動履歴からそれが可能になります!
しかもその対象は20億人!
従来のCMではなく、効果の高いFacebookをマーケティングツールとして用いることも納得ですね。
グーグルの紹介の際に詳しくは紹介しようと思いますが、世界のメディアはいまやGoogleとFacebookに二社が覇権を争っている時代なのです。
○Facebookが訴えかける対象
Facebookは心に訴えかけます。
なぜなら人はだれかとつながることで幸福を感じる生き物だからです。
Facebookはアイデンティティを確立するもう一つの場となることができるのです!
「いいね!」をより多く獲得したいと思うのは、人の承認欲求としては普通のことなのですが、それにFacebookが訴えかけることで、より確度の高いターゲティングが可能になり、Facebookというメディアを強大にしていくのです。
今回は第三の騎士F:Facebookに関してご紹介しました。
Facebookは最近個人情報の問題などで株価が急落したということがありましたが、依然として世界最大規模の交流の場です。
日本だとTwitterを利用している方も多くいますが、Facebookで人とつながることで安心感を得ることができている人もいるのではないかと思います。
四騎士の提供しているサービスは日常で当たり前になっていると改めて感じます。
次回は第四の騎士G:Googleをご紹介します!
【書評】 「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」 スコット・ギャロウェイ (東洋経済新報社) Part3
引き続き、スコット・ギャロウェイ「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」(東洋経済新報社)を紹介したいと思います。
前回は第一の騎士A:Amazonご紹介しましたが、今回は第二の騎士A:Appleについてご紹介したいと思います。
Appleに関しては、現在のCEOはティム・クック、従業員数は約12万人であり、世界で初めて時価総額一兆ドル(約110兆円)を達成した(8/2に達成)企業です。
それではAppleに関して詳しく見ていきましょう。
【概要】
・高級ブランドとしてのApple
・神格化されるスティーブ・ジョブズ
○Appleというブランド
Appleに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
日本では、iPhoneやMacが一般的に受け入れられており、テクノロジー企業というイメージが強いでしょうか。
日本のスマホシェアは2017年時点で70%をiPhoneが占めていますが、これは世界と真逆な傾向を示しています。日本ではiPhoneが一般的なスマホになっているという特殊な国なのです。
それでは世界的にはどのように捉えられているのかというと、「高級ブランド」なのです!Appleのブランドイメージは、シンプルなデザインやきれいなアップルストアから連想されるカッコよさからです。
つまり、iPhoneやMacを持つことが「かっこいい」ことであり、ルイヴィトンを持つことと同系列のことなのです。
世界的には、iPhoneやMacというぜいたく品を持つことでセックスの相手を手に入れやすくなるという欲望を満たすブランド企業なのです!
周りにもiPhone使用者がかなり多いので、日本ではなかなか想像しづらいかもしれませんが、iPhoneはスマホの中でも高級品なのです。
○前CEOスティーブ・ジョブズ
Appleで忘れることができないのが、前CEOのスティーブ・ジョブズです。
本書でAppleとはスティーブ・ジョブズを神と崇める宗教と表現されているほど大きな存在なのです。
高級ブランドにはアイコン的な創業者がいます。Appleにはとてつもなく大きな創業者スティーブ・ジョブズがいることで、高級ブランドとしての価値を形成しています。
また、スティーブ・ジョブズが亡くなったことで、その神格化は確実に保たれます。日常生活で伴う評判が落ちるリスクがなくなることが、公人が死ぬ数少ないメリットとなるのです。
Amazonのジェフ・ベゾスやFacebookのマーク・ザッカーバーグ、Googleのラリー・ペイジと、四騎士はいずれも創業者の存在が大きいと感じますが、スティーブ・ジョブズの存在は特に神格化されているような気がします。
今回は第二の騎士A:Appleを見てきました。
Appleに関しては日本とは違った印象を受けたのではないでしょうか。
iPhoneが最大多数の国は日本しかないので、Appleに対する印象が異なるのは当然かと思いますが、世界的には高級ブランドなのです。
四騎士はITというテクノロジーを、本当に世界を変える技術として昇華していると感じます。
次回は第三の騎士F:Facebookに関して紹介します!
【書評】 「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」 スコット・ギャロウェイ (東洋経済新報社) Part2
こんにちは!
お盆休みにネットワークがつながらないところによくいたため、久しぶりの更新となりました。
今回は引き続き、スコット・ギャロウェイ「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」(東洋経済新報社)を紹介したいと思います。
前回はGAFAについてご紹介しましたが、今回は第一の騎士A:Amazonについてご紹介したいと思います。
Amazonに関しては、現在のCEOジェフ・ベゾスで時価総額9400億ドル、従業員は約56万人という超巨大IT企業です。
それではAmazonに関して詳しく見ていきましょう。
【概要】
・Amazonが訴えかけるのは、我々の狩猟本能
・世界を動かすCEOジェフ・ベゾスのビジョン
・実店舗に進出し、世界制覇を目指す
○Amazonの戦略
Amazonは我々の奥底に残る狩猟本能に訴えかけてきます。
狩猟本能というのは、より多くのものをできるだけ楽に集めようとする本能です。
人間は、多くの物を持っている者の方が生き残る確率が高かったため、本能の中に物をより多く消費したいと刷り込まれています。
そして、現在は消費者が神の資本主義社会です。
知っての通りAmazonはオンラインでの小売業がメインの事業になります。消費者が買っているもののデータを集め、AI解析することで顧客にリコメンデーションします。
そうして我々の消費本能を的確に刺激し、小売業を制覇したのです。
○ジェフ・ベゾスCEOのビジョン
Amazonのもう一つの強さにCEOジェフ・ベゾスのストーリーテリングが挙げられます。
ジェフ・ベゾスには、奇想天外なアイデアでも実現することができるように思わせてしまうことができます。
シンプルで魅力的なビジョンを提示することで、「安い資本」を得て、新たな投資へとつなげるのです。
現在のAmazon(ジェフ・ベゾス)のビジョンは、世界最大の店を提供するというシンプルなもので、それを可能だと信じさせることができることがAmazonの強さなのです。
○Amazonの小売業界制覇への道
先述の通りAmazonはeコマースがメインの事業であることは、もう知られていることです。
そんなAmazonが近年、実店舗へと進出しているのです。
なぜ実店舗に進出しているのかに、Amazonの小売業界制覇への道が見て取れます。
実はeコマースの顧客獲得のコストが上がり続けているため、オンラインでの素晴らしい顧客体験を実店舗、実店舗+オンラインでも提供できるようにすることで、さらなる顧客を獲得することを目指しているのです。
ただAmazonが提供する実店舗Amazon GOはほぼ無人店舗であるため、これまでの小売業界からは想像できない実店舗になると考えられます。
今回は四騎士のうち一つ目の騎士であるA:Amazonに関してご紹介しました。
ご紹介した以外にも、アレクサやAWS(クラウド)という多様なサービスを提供しています。
Amazonだけでも、世界の小売業界をかなりの部分制覇していることなので、四騎士合計で考えると我々の生活の大部分を支配していると考えられます。
次回は第二の騎士A:Appleを紹介したいと思います!
Appleは生活のどの部分を支配しているのか気になりますね!
【書評】 「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」 スコット・ギャロウェイ (東洋経済新報社)
今回紹介する本は、スコット・ギャロウェイ「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」(東洋経済新報社)です。
今や知らない人はいないであろう米国IT企業四社の戦略やビジョンについて紹介している本です。
GAFAという名前を聞いたことがない方もいらっしゃる方もいるかと思いますが、新聞などにはよく出てくるのでぜひこの機会に抑えておくべきでしょう。
今回は、GAFAとは何か、どうしてこの四騎士(四つの企業)が注目されているのかを今回は紹介したいと思います!
【概要】
・GAFAという4つの米国巨大IT企業
・GAFAを知ること
○GAFAとは?
ご存知の方も多いでしょうが、GAFAとは以下の4つの米国巨大IT企業の総称です。
G:google
A:apple
F:facebook
A:amazon
どの企業も聞いたり、サービスを利用したことがあると思います。僕もググったり、フェイスブックに投稿したりとよく利用しています。(世界で日本のみTwitterがSNSの一位で、世界的にはフェイスブックの利用者の方が圧倒的に多いです)
多くの方も感じることかと思いますが、GAFAという四騎士により身の回りの生活は変化しました。
いろいろなところでGAFAという表現は使用されるので、ぜひ知っておきましょう!
本書が米国で出版されたのが2017年なので、その時点ではGAFAは時価総額一兆ドル越えを争う四騎士でした。
現在(2018年8月時点)は、アップルが時価総額一兆ドルを超えています。
一ドル100円を超えているので、100兆円を軽く超えた企業が存在すると思うとすさまじいですね笑
この四騎士の時価総額を合計するとフランスのGDPと同じくらいになるそうです笑
とにかく巨大な資産を有しており、投資や企業買収の規模も異次元です。
○GAFAを知ること
ではなぜGAFAを知る必要があるのでしょうか。
GAFAの一つ一つの企業を知るとわかるように、ほとんどの人がサービスや製品を利用、使用しているのがこの四騎士です。そして、この四騎士を考えてみると登場前後で日常生活も変化したのではないでしょうか。
このように身近な生活の変化に直結するというのが、知るべき一つの理由です。
また、時価総額も異次元の四社ということで、ビジネスの世界にも大きな影響を与えます。業界を超えて新しい事業にも進行するということで、関係ないと思われる企業はほとんどありません。
ビジネスという生態系を考える上でも知っておく必要性がとても大きいのです。
今回は、GAFAという四騎士に関する基本的情報をご紹介しました。
この四騎士には、ここまで巨大になるだけの強さがあります。
次回からその点に関してご紹介したいと思います!
高校教育までの統計の基礎知識
こんにちは!
今日はデータサイエンス入門でも出てきた、統計の基礎知識として高校教育までで扱うものを紹介します。
実は、今はセンター試験でも「データの分析」という範囲で統計の基礎知識は出題されています。
名前くらいは聞いたことがあるものが多いのではないでしょうか。
もちろん各々はデータの様々な特徴を表すものになっています。
それぞれ見てみましょう!
「平均」
言わずもがなですね。説明しろといわれると難しいですが、そのデータのだいたいの真ん中というイメージでしょうか。
ただ、データがバラバラの時は、中央値というようなど真ん中の値を採用した方がいい可能性もあります。
「分散、標準偏差」
実はこの二つはどちらもデータの散らばり具合を表す値です。分散の平方根が標準偏差なので厳密には意味が違いますが、意味するものはどちらもデータの散らばり具合です。標準偏差の方が一般的だと思うので、標準偏差はデータの散らばり具合を示していると思っておけばいいのではないでしょうか。
データが平均近くに集まっているほどこれらの値は小さくなり、ばらついているほど値が大きくなります。
しかし、二つのデータセットの散らばり具合を値そのもので比較することはできません。
身長(cm)と体重(kg)の標準偏差は、全体の値の範囲が身長の方が広いので、身長の方が基本的に値は大きくなります。
もし強引に比較するとしたら、全体の値の範囲で規格化(範囲の大きさを比例させてそろえる)する必要があります。
値の大きさだけで比較していて、実は元のデータ自体の範囲が全く違うといったことがないか気をつけましょう!
「相関係数」
これは二つのデータの間に相関がどれくらいあるかを表す指標です。
二つのデータが比例関係(片方が大きくなればもう片方も大きくなる)があれば、値は大きくなり、逆に反比例関係(片方が小さくなればもう片方も小さくなる)があれば、値は小さくなります。全く関係なければ、0に近い値になります。
データサイエンス入門でも紹介しましたが、その二つの間に因果関係のような意味があるかどうかは実はわかりません。
二つのデータを取り出したとき、見た目だけ関係あるようなこともあり得るのです。
最近話題になってる働き方改革の裁量労働制と賃金の関係も、実は相関関係でしかなく因果関係ではないのではないかと思うこともあります笑
AIは相関関係を見つけ出すことは得意なので、注意してみないといけないところになると思います。
簡単に統計の基礎知識となるような用語の紹介をしてみました!
世の中に出ている統計を見るときに簡単な意味を知っておくだけでも、その情報があっているのかを考えることができると思います!
騙されないためにも大事ですね笑
数が増えた時の可能性
前回ご紹介したデータサイエンスの中で正規分布の話が出てきたので、今回は軽く紹介してみたいと思います!
データサイエンス入門にありましたが、母数が多くなると平均への回帰が起きます。
「大数の法則」と言われる法則ですね。
平均前後で左右対称になるデータですと、正規分布といわれる分布に近づくことがあります。本の中では、身長が挙げられていました。
データが正規分布に近似出来る時に何がわかるのかというと、そのデータの確立がわかるのです。
正規分布の平均から標準偏差1σ区間に入る確率は約68%、2σ区間では約95%なのです!
統計の知識を知っているとちょっとしたことの妥当性を考えることが出来るのです。
今回、標準偏差といった言葉が出てきましたが、そのような統計の基礎用語も紹介出来たらと思います!