【書評】 「グロービスMBAクリティカル・シンキング」 グロービス経営大学院 (ダイアモンド社)
今回紹介する本は、グロービス経営大学院「グロービスMBAクリティカル・シンキング」(ダイアモンド社)です。
本書は、名前の通り社会人に必須といわれる「クリティカル・シンキング」に関しての本になります。クリティカル・シンキングとは、ロジカル・シンキングと似たような思考であり、知っておくべき考え方になります。
就活はこの考え方をできるかを見られることも多いので、学んでおくと得するかもしれません!
それでは、本書についてご紹介していきたいと思います。
【概要】
・クリティカル・シンキングにも基本となる概念がある
・議論の目的地を決める「イシュー」
・基本構造となる「ピラミッドストラクチャー」
・議論する際に意識すべき「MECE」
○クリティカル・シンキングとは
まずクリティカル・シンキングを学ぶ意義ですが、クリティカル・シンキングを身に着けることで得られる大きい効用は、「見落としていた機会や脅威に気づく」というのが大きいと思います。
クリティカル・シンキングでよく聞く概念に、「ピラミッドストラクチャー」、「イシュー」や「MECE」といったものが挙げられます。もともと戦略系コンサルティングファームが生み出した概念になります。
このような考え方を用いて、「健全な批判精神を持った客体的な思考」を行うことがクリティカル・シンキングなのです。
就活のインターンは、この考え方を学べる機会になったりしますし、この考え方をできることが強みになったりしますので、就活する際にはぜひ学んでおくと便利です。
○イシュー
何かを考えるときにスタートとなるのが、このイシューを見極めることです。
要は考えるべき対象を見極めようということです。議論する時の最終目的地を設定するということですね。
実はこれがとても大切です。
よく話し合っていて「結局何を決めなきゃいけないんだっけ?」となる場面ありませんか。
目的地がなければ、議論も的外れになってしまうことも往々にあります。
その後の議論の価値を左右する大事な要素なのです!
就活のグルディスは、特にイシューが何かを意識した方がいいと思います。何を「イシュー」とするかを意外と考えないことが多いので、差別化する要因になることが多々あります。
また、アウトプットの方向性も見出すことができるので、効率化にもつながることが多いです。
○ピラミッドストラクチャー
クリティカル・シンキングの際に基本構造となるのが、このピラミッドストラクチャーとなります。
ピラミッドストラクチャーを用いると、考えを整理しながら考えを進めていくことができるのです。
縦の論理関係は以下の二つです。
・帰納的
・演繹的
帰納的論理関係がいくつかの事象から共通となるルールを抽出する考え方であり、演繹的はある事象をルールに当てはめて結論を導き出す考え方です。
この論理関係となるように、分解して考えていくのがピラミッドストラクチャーになります。
考えやすく、クリティカル・シンキングの基本となる構造となります。
○MECE(ミーシー)
名前だとよくわからないかもしれませんが、「もれなくダブりなく」という意味です。
大事な視点が抜けていないか、重なって考えていないかに注意するということですね。
聞くと簡単に思えるかもしれませんが、やってみると難しいです。スピードも考慮すると8割程度カバーすればいいというのが実用的なラインですが、ピラミッドストラクチャーの上の方で視点が抜けると後々困るので、考えているレイヤーが高い時はかなり意識した方がいいです。
とは言え、なかなか難しいと思う方も多いと思います。
そこで、何個かMECEになるような分解方法を自分の中で持っておくと便利です!
簡単なところですと、「新規と既存」、「単価×人数」といった分け方です。
また、フレームワーク(3C、4P)といわれる考え方もMECEに分解する切り口を提供してくれるので、何個か覚えておくと役に立ちます。
MECEは意識していると何か他にもないかと考える癖がつくと思うので、最初は時間がかかっても試してみましょう!
今回はクリティカル・シンキングに関してご紹介しました。
自分が就活していた時に役に立った考え方なども交えながら紹介したので、少し就活寄りのご紹介になってしまったかもしれませんが、お許しください。
最近は巷にクリティカル(ロジカル)・シンキングに関する情報があふれています。
溢れすぎていてどれから学ばないといけないのかわからなくなってしまうこともありますが、どんなものにも基本となる考え方があるので、今回紹介した基本をまず抑えることから始めてみましょう!
そのための本としては最適な本なので、ぜひ読んでみてください!頭の中が整理されると思います。