【書評】 「LIFE SHIFT」 リンダ・グラットン アンドリュー・スコット (東洋経済新報社)
今回紹介する本は、リンダ・グラットン「WORK SHIFT」(プレジデント社)です。
今も嵐の櫻井さんがアフラックのCMで人生100年時代とおっしゃっていたりしますが、その言葉が浸透したのはこの本が知られてからのような気がしています。
新聞なんかにも取り上げられるなど、有名な書籍だとは思いますが、実際この本の内容はこれから生きていく上で知っておくべきことが多いと思いました。
就活期に読んでおいてよかったと強く思った本です。
今回から何回かに分けてご紹介していきたいと思います。
【概要 Part1】
・寿命が100年になる時代
・通用しなくなる3ステージの人生
・機械・AIで変わる雇用
○伸びる寿命
人生100年時代と言われているのは、単純に平均寿命が100歳になる日が来ると予測されているからです。
しかし、ここで一つ大きな疑問が湧きます。
「今の寿命って85歳くらいでしょ?寿命が100歳になる日なんて来るの?」
これは寿命の考え方にカラクリがあります。実は寿命というのは時間と共に平均寿命は変わらないとする「ピリオド寿命」と平均寿命は変化していくという「コーホート寿命」の二種類があるのです。
ここで内閣府発表の平均寿命の変化の統計および予測を見てみましょう。(引用:http://www8.cao.go.jp/kourei/kou-kei/24forum/pdf/tokyo-s3-2.pdf)
見てみるとこれまでの寿命は10年平均2年で伸びているのです。
これこそが人生が100年になるだろうと考えられている理由であり、個人的にはこちらの方が自然であると感じます。
大事なことは「ピリオド寿命」を前提とした考え方を捨てることであると思います。
○これまでの人生プラン
これまでの時代の人生は、「教育・仕事・引退」という三つのステージから考えられていました。
今だと高卒だと18歳、大卒だと22歳、大学院卒だと24歳で就職し、65歳まで働いた後に引退して仕事をせず過ごすというのが普通ですかね。当然のように教育・仕事・引退という三つに分かれています。
しかし、これからの時代はそうはいきません。少し考えてみればわかりますが、65歳で引退した後、100歳まで稼がずに生きるというのは現実的に不可能です。
つまり、これまでの人生プランは変化せざるを得ないのです。
○機械化・AIによる変化
機械化やAIによりなくなる仕事があるというのは、昨今よく取り上げられる話題です。
もちろんその脅威による変化も大きく、生涯一つの仕事に就くことの不確実性が上がっているというのはあります。
しかしそれだけではなく、機械化・AIによる変化は企業のエコシステム(生態系)にも及ぶのです。
どういうことかというと、テクノロジーの進歩により働き手たちの直接連携が容易になり、大企業という規模のメリットがこれまでより小さくなるということなのです。
この仕事の変化に関しては、前に紹介しましたWORK SHIFTの方が詳しく紹介されていますので、もしよければご覧ください。
今回は、これからの時代への変化の要因や崩れる常識について見てきました。
現代ほど常識を疑ってみるということが必要な時代はないのかもしれませんね。