「美意識」を学ぶ前提条件があるのではないか
前回、「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか」という本をご紹介しました。
今回は、読んでいて感じたことに関して考察してみたいと思います。
ものすごーく簡単に書籍の紹介をすると、今は論理的思考で解決できない問題も増えてきており、対処するために「美意識」が必要になったということです。
ここで気になるのは、「「美意識」はただ闇雲に学べばいいのか」ということです。
僕は「美意識」を学ぶ際に二つ前提条件があるのではないかと思っています。
一つ目は、書籍の中でも触れられていたと思いますが、「真」を迫る能力を身に着けておく、つまり、論理的思考を必要なレベルで出来るということです。
「美意識」が必要になっている原因の一つに、「論理的思考のコモディティ化」がありました。
コモディティ化ということは、差別化の主要因にならなくなったということだと思います。むしろ、持っていて当たり前になったということです!
論理的思考では対処できない問題が増えたのは事実ですが、問題を正しく認識するためには論理的思考は必要です。コモディティ化したということは、「みんなその認識はできて当たり前だよね」という前提が含まれているわけです。
これが一つ目の前提条件です。
二つ目は、「善」に関しての背景を知る必要があるということです。
「美」に対する解釈を行う上で、自分の思考がどの文脈の上で成り立っているのかを検討する必要があると考えています。
「日本の美」といわれるように、「美しい」と思うものに関しては、その文化的背景によって差が出るのではないでしょうか。西洋の美と東洋の美は同じではない(もしかすると本質的には一緒なのかもしれませんが)と考えています。
つまり、自分の背景の思想によって「美」の捉え方は異なります。そして、他の背景との差異に大きな価値が生じます。
これが二つ目の前提になります。
このように考えると、「真・善・美」という順の並びは、とても自然かつ重要な並びです。
そして、「真・善」を身に着けた「日本人」が核として持つ「美意識」は「日本的な美意識」なのではないでしょうか。
「和」の領域に属する「美意識」こそが、日本人が世界に価値を伝えることができる「美」であり、これからを生き抜くうえで必要になると思います。(書籍の中の例も日本的な美意識に準拠している例が多かったと感じました)
本書を読んでいて考えていたことをまとめてみました!
「美意識」の定義に関していろいろ話し合ってみたいですね!