【書評】 「ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望」 トーマス・ラッポルト (飛鳥新書)
今回紹介する本は、トーマス・ラッポルト「ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望」(飛鳥新書)です。
今世界を動かすペイパルマフィアが元いたペイパルの創業者であり、Facebookを支える大物投資家であるピーター・ティールに関しての本です。
シリコンバレーが世界のトップでいる今、ぜひ知っておくべき内容になっていると思います!
【概要】
・競争ではなく独占を目指す
・破壊的スタートアップとしてのトランプ政権
・ティールが立ち上げる未来への挑戦
○競争と独占
ティールが考える企業が成功するカギは、「独占」です。
ビジネスの世界では、競争か独占しかありません。
ティールは、競争する負け犬になるなと「独占」を志向しているのです。
その思考のもと、成長を優先し売り上げについては後から考えるという戦略を実行しています。
この戦略で有名なのはAmazonでしょうか。ITというテクノロジーと相性がいい気がしますね。
そして、この思考により、シリコンバレーの頂点へと駆け上がっていったのです。
○トランプ政権を支えるティール
前回の米国大統領選挙の際にピーター・ティールはドナルド・トランプ氏を支持しました。
なぜ彼がトランプ氏を支持したのか。
それはトランプ政権が政治の世界において「古いビジネスモデルをはぎ取るスタートアップ」だったからなのです。ティールは逆張り投資家であり、それを政治の世界で実践したのです。
実際にトランプ政権が誕生してからは、シリコンバレーの大物たちとの間の溝を埋めるために会合を設定し、トランプ政権を動かしています。
政治の世界でのピーター・ティールの動きにも目が離せません。
○未来戦略
ティールにとって、「別のやり方では解決できない困難な問題に取り組んでいる人々」を経済的に支援することが、社会貢献です。
そして特にティールが関心を寄せているのがAIとアンチエイジング研究です。
AIに関しては、少数のIT企業により独占される際に、第三の機関が規制監督するが必要になると考え、デジタル知能を人類全体になることを推進すること、また、アンチエイジングに対しては、長寿に対しより実践的な視点を持ち込むことを目指しています。
その外にも既存の教育制度といった既存制度に懐疑的であり、様々な行動を起こしています。
どのような社会貢献をティールが目指すのかも気になるところですね。
今回はピーター・ティールに関して紹介しました。
今、世界を動かす思考としてぜひ知っておくべきものが多くあるように感じました。
単純にシリコンバレーについて知ることもできると思うので、気になる方は読んでみてください!