【書評】 「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」 スコット・ギャロウェイ (東洋経済新報社) Part7
前回は、GAFA四騎士に共通する要素に関してご紹介しました。
今回で最後となりますが、スコット・ギャロウェイ「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」(東洋経済新報社)を紹介したいと思います。
今回はGAFA以降の世界で第五の騎士となり得る企業と個人で必要となることに関してご紹介します。
GAFAは確かに世界を創り変えましたが、今後もGAFAの支配が永遠に続くことは考えにくいです。実際これまでも支配的な巨大企業が存在しましたが、世界の支配者は変わり続けてきました。
そのような可能性を秘めた企業とその中で個々人に必要な要素をご紹介していきます。
【概要】
・NEXT GAFA 第五の騎士
・必要な心理的熟成
・超優秀な人間にとっては最高の時代
○第五の騎士の候補
GAFAは四騎士で世界を永遠に支配するわけではありません。もちろん今後第五の騎士が出てくると考えられます。
本書では様々なNEXT GAFAとなる企業の候補を挙げています。
ウーバー、テスラ、エアビーアンドビー etc
(2018年8月にはウーバーは内部のガバナンス問題で今は勢いが落ちリフトに地位を譲られかけています、テスラはどうなるか分からないですね)
紹介されていた中で個人的に特に気になったのが、アリババとMicrosoftです。
アリババは中国という大国で大量のデータを獲得することができ、現在の石油といわれるデータの面で特に強さを見せていると思います。またCEOのジャックマーのパーソナリティも強さになると考えられます。
今後は中国圏外の文化に対応していけるかが大きな焦点になるのではないかと考えています。
もう一つの有力候補はMicrosoftだと考えています。
GAFA以前の世界制覇した企業ではありますが、近年勢いを取り戻したのではないでしょうか。
Microsoft officeの普及率を考えれば、データを収集することは可能になっていくと思います。しかし、officeのデータの価値をいかに引き出すことができるかによりデータの支配者となれるかが決まるのではないでしょうか。
○個々人に必要になる要素
GAFA以降の世界で必要になる要素も当然存在します。
一つ目を大きくくくってしまうと、自分自身にいかに箔をつけるかということが必要な要素になります。
大学に行くことや資格証明などがそれにあたります。また、そのような機会を得やすくするために都市に行くといったことも必要な要素になってきます。
もう一つは、内面的な価値を得ることです。
その中で何より重要なのは、心理的熟成度です。
デジタル化により、仕事の結果がすぐ出るようになった世界では、自分の感情をいかにコントロールできるかが大事になります。そして、この能力に関しては特に女性の方が、強さがあります。
拍付けいった肩書の面と心理的成熟という内面的要素両方がより必要になるのです。
○勝者総取りの世界
GAFAが創り変えた世界は一部の支配者と大多数の農奴が存在する世界になりました。
AIにより仕事がなくなるといったことが言われていますが、残念ながらGAFAにより雇用が破壊されているのは事実です。
GAFAのサービスは世界を便利に創り変えていると思いますが、四騎士も企業なので金儲けが目的になるのは当然です。
彼らの稼ぎ出す利益を受け取れるのは世界の超優秀な一部の層であり、文字通り勝者層取りの世界であるという現実を理解する必要があるのです。
今回で最後となりますが、NEXT GAFAおよび今後必要となる要素をご紹介しました。
四騎士が創り変えた世界は果たして前より「よい」世界なのかはわかりませんが、劇的に変えていることは確かだと強く感じました。
なぜここまで長々と紹介したかを次回書きたいと思います。